考え方のちょっとしたヒント集,望月聖司
99.富士山

 静岡県富士市出身の自分としては、富士市から見た富士山が一番見ごたえがあると思っています。ずーっと、そう決めつけていました。
 朝霧高原や山梨の方、そして御殿場などから見る富士山は、形が崩れていて変だと思っていました。東京にも「富士見町」といった地名が残っていますが、そんな離れたところから見た富士山のなんとスケールの小さいこと。
 では、近づけばいいかというとそうでもない。
 富士山に登るとただただ荒れた岩肌があるだけで、形も何も切ないものに見えてきます。
 それに比べると、田子の浦側から見た富士山はスラーッとしていて、なんて優雅できれいなんだろう。途中からちょっと飛び出している宝永山が良いアクセントになっている…などと、かってに納得して富士山をひとり占めし、ひとりよがりな見方をしていました。
 ところがある人に「富士山は、あの突き出ている宝永山がイヤだね」と言われて驚きました。えっ、あそこが味なのに。山梨県の人は「山梨側から見た富士山は、ほんと男らしくて良い」と言います。
 少なくとも「どこから見ても魅力的に見える富士山は本当にすごい」ということに変わりはありません。みんなの心を引き寄せ、UFOまで飛んでくる富士山は、人間だったらどんな人なのでしょう。きっとどんな人をも受け入れる、大人格者なんだろうなと思います。ますます富士山が身近な存在になった気がします。

■あらゆる角度から見ることのススメ
 人にはさまざまな見方、捉え方があり、自分の価値観だけが絶対ではありません。「この人はこれがいいと思うんだ」「ものごとをこんな風に捉えるんだ」といろいろな考え方があることをまず受け入れるところに、自分の幅が広がっていきます。また人間だけではなくあらゆるものに目を向けることで、私たちの周りにあるさまざまな存在が、たくさんのことを教えてくれます。


100.成長させてくれる人

嫌いな人、合わない人、価値観がまったくちがう人、突っかかってくる人、自分を悪く言う人などなど、付き合いにくい人たちがいます。
しかし、日頃イヤだと思う人が、実は自分を成長させてくれています。
たとえば
①人の嫌がることをする人を見て、その人を責めたくなってしまう自分に気づけます。
②いかにその人が間違っているかを、正当化したくなってしまう自分に気づけます。
③いかに自分が人に対してえらそうにしているかに気づけます。
④いかに自分が人を変えてみせようなどと、大それたことを考えているかに気づけます。
⑤自分がイヤだと思っている人と同じような部分が、自分にもあることに気づけます。
そして「まずは、自分から正していかなければいけない」と気づかせてくれるのです。
価値観のまったくちがう人は、まったくちがう価値観があることを気づかせてくれます。みんな、とってもありがたい人たちです。
世の中にはすべて、プラスとマイナス、陽と陰、表と裏など、相反するものがあります。その逆の立場にあるものを、肯定しなくてもよいですから、存在を認めるだけでも自分の幅が広がっていきます。
そう考えると、悪いと感じてしまう人も、自分にとって大切な存在意義があるのです。

■人より自分を見返ってみることのススメ
認めたくない人のやっていることの中にも、良いことと悪いことがあると思います。嫌いな人を無理に好きになる努力をするよりも、その人の良いところと悪いところを分別し、良いと思うところは見習う、悪いと思うところは自分はしない努力をする方が、一歩前進できるのではないでしょうか。嫌いな人のすべてを認めたくないという感情が先に立ってしまいますが、「嫌い」は、自分の成長の道を閉ざしているようです。


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