公園を通りかかったら、小さな子供がすべり台のすべるところを登ろうとしていました。
するとその子のお母さんが「だめでしょ、ちゃんと階段から登らないと」と言ったのです。ほかに順番待ちの子供がいたワケでもありません。
はたして、すべり台はすべるだけのものなのでしょうか。
子供だった頃、さまざまなすべり台をいっきに駆け登ることにチャレンジし、多くのすべり台を制覇してきました。ツルツルすべる長い板を登る。この難関に挑戦することで、不可能を可能にする達成感を知り、自分の勇気と体力に信頼感を培ったともいえます。
子供には「すべり台は登ってもよい」というルールを決めたらどうでしょう。もちろん「人に迷惑をかけない」という条件付きで。
大人、子供に限らず、ある一方からしかものごとを見ることができない人が増えています。知識はあっても知恵がない。あれもダメ、これもダメ、それもダメ…。その子供が素直であればあるほど、きっとすべり台はすべるだけ…そう思い込んでしまいます。
遊んでたって、仕事してたって、あれもイイね、これもイイね、それもイイかもね…そう考えていった方が、アイデアも楽しさもグ~ンと広がります。みょうに常識的に考えてしまっては子供も大人も枠の中に閉じ込められてしまう、いや、閉じ込もってしまいます。
子供たちに「すべり台は、すべるよりも登る方が楽しいぞ」と言ってあげたい。
■多角的にモノゴトを見ることのススメ
十円玉の形は、はたして丸なのでしょうか。女の子がお人形より車のおもちゃをほしがってはいけないのでしょうか。私たちは知らない間に、偏った常識にとらわれている場合があります。もっと多角的にものごとを捉えられれば、楽しさも、工夫も、知恵も広がることがたくさんあると思います。それにどれだけ気がつけるかが、その人の個性なのかもしれません。