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2018/2/4
考え方のちょっとしたヒント集
28.自分の形をイメージしてみる

 大学で自分CI(コーポレート・アイデンティティ)という授業をしています。学生たちがそれぞれ自分を見つめて、自分を表現するマークを作成するという内容なのですが、これがみんな、まったくと言っていいほど形が思い浮かばないようなのです。
 形が浮かばないということは、自分がどんな人間なのか、どんな想いを抱いているのかがわからないということです。
 ところが、とりあえず「進む」というキーワードはみんな持っているようです。そして多くの学生が、その「進む」というキーワードを矢印で表現します。
 一言で「進む」と言っても、物理的に前に移動するという意味もあるし、成長するとか上達するという進み方もあります。それを表現する矢印記号は、先哲者があみ出してくれたひとつの優秀な形で、力強く何かを指し示してくれるものです。
 しかし、あまりに優れた形であるために便利だからと安易に使ってしまうと、他の人との差別化ができず、もっと自分が見えなくなってしまいます。
 多くの情報の中でさまざまな価値観が交錯する今、人が自分の形を見ていくことがますます大切になっているのではないでしょうか。将来どういう自分になっていたいか、自分を色に表すとどんな色なのか、人間という形をはずした時にはどんな姿形になるのか。
 誰もが、いくつになっても、心の中に「どんな自分になるのか」「どんな人生を送るか」という絵を描けるアーチストでありたいものです。

■人生をイメージで創り上げることのススメ
 「自分の個性を大事にしたい」と言いながら、同じファッションに身を包み、自分を殺している人たちがいます。人と同じことをしていれば安心かもしれませんが、そこに自分はありません。誰にも、その人ならではの才能や人間的魅力があります。自分の人生の物語をイメージし続けましょう。きっと試行錯誤しながら、自分らしさが探し出せるはずです。


(MIKI)