大学に教えに行っていて思うのは、学生は話しかけないとなかなか話さないけれど、いったん話しはじめるととりとめもなく話し出すということです。どうやら、うまく自分の想いを言葉にできないようなのです。
学生だけではなく、大人もそうです。相談ごとでは、たいていの人が思っていることをうまく話せなかったり、気持ちの整理や考え方の整頓ができないのがよくわかります。
以前は、そんな人たちと話しているとすぐに「それはこういうこと?」「こうしたらいいんじゃないの」などと意見がましいことや、解決するための具体的な方法を言ってしまっていた…というより押しつけていました。しかしそれはいけないことだと気づきました。
まずは相手の話をよく聞いて、その脈絡がないように感じる話の中から、いくつかのキーワードを見つけます。そして「あなたが話している内容の中には、これとこれとこの問題が入っていますね」と投げ返してあげると、意識していなかった自分の想いに気づいてびっくりします。
そうやって本人の気がついたことに、具体的な方法のヒントを提案してあげるととてもわかりやすくていいらしいのです。そしてもうひとつ大切なのは、そうはいっても結局、どのやり方でいくかは本人が決めるべきだということです。
このような場面に遭遇するごとに、部屋の片づけと同じようにココロにも整理整頓が大切で、日頃からやっておけば後が楽だと実感します。
■考えをルール化することのススメ
何かものごとに向かい合った時に、そのつど解釈していたのではココロの中が混乱してしまいがちです。すばやく気持ちを整理するためには、普段から自分の中で考えや判断の基準を作り、それをルール化してみてはどうでしょう。「人にはとにかく優しくする」「心で人を責めない」など、「正しく便利なルール」をいかにパターン化できるかで、ココロの整理整頓の効率がちがってくると思います。