2018/2/4考え方のちょっとしたヒント集61.少師化
少子化が進んでいるのに、大学の建設ラッシュが続いているようです。高等教育を名目にしているらしいのですが、本当にそうなっているのでしょうか。大学が増えることによって、二つの問題が起きています。大学そのもののレベルの低下。そして講師不足です。
より専門性を求められるようになってきた大学に専門性の強い講師をということで、どこの学校も各業界からプロの人たちを招いています。しかしその講師たちは、技術的にはプロかもしれませんが、教えることに対しても専門家なのでしょうか。
疑問に思います。
利益追究ばかりで本質的な仕事ができず、プロの世界でも本当のプロが育ちにくい状況になってしまっています。それなのに人に教えられるほどのプロがどれだけいるのでしょうか。
また違った意味で、大学の師は難しいものがあります。仕事のプロとはどちらかというと、いい商品を作ったり、誰にもできないような技術を持って評価されれば良いという競争の世界。しかし講師というのは教える能力が最も必要です。業界で師になれないような人は、大学でも師になれません。
「教えることができる人」を育てる大切さ。今問題なのは「少子化」ではなく「少師化」なのではないかと思います。
■教えることで学ぶことのススメ
自分ではわかっているつもりでも、いざ人に伝えようとするとうまく説明できないことがあります。それでは本当にわかっているとはいえません。感覚的にわかっているつもりでしかなかったということです。人に教えようとすることで、やってきたことを整理整頓する。そして足りない部分、不確かな部分は勉強しなおす、確認する。人に教えることが、さらに自分の学習を深めていくのです。