Banshiren

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2018/2/4
考え方のちょっとしたヒント集
8.発言権

 初めて講演というものをした時のことです。
 緊張しながらも話しをしていて、人生の大先輩たちや、はたまた初々しい若者などが目を皿のようにしてこちらの話しを聞いてくれているのを見て、「こんな自分でも発言権を持てたんだ」とうれしくなりました。聞いてもらえることがありがたくて、話している自分の方が感動してしまったのです。聞いている方たちはつまらなかったかもしれない、と思いながらも、みょうに手応えを感じ、興奮気味で帰ってきたのを覚えています。
 そして発言権を持つことのすばらしさを知りました。
 長い間仕事を続けてきて、それなりに専門性を持ててきたので講演の依頼もいただけるようになったのですが、聞いてもらえる人間性がなければ発言権はいただけないものだと思います。その時から「聞いてもらえる自分になる」という概念がインプットされました。以来、考えごとをする際はいつも「話す相手が前にいる」というイメージを持つようになり、それが自分を励ましてくれているようです。
 どんな正論であっても、すばらしい内容であっても「あなたの言うことなんか、聞きたくないよ」と思われてしまっては何にもなりません。「この人の言うことなら」と思って聞いてもらえる人間性が必要だということです。話す内容の専門性とそれを聞いてもらえる人間性の両方を兼ね備え、人の役に立つ発言ができる、そして発信している内容を信じてもらえる人間になっていきたいと思います。

■自己主張ではなく自己表現のススメ
 人に何かを話す時、自分の思ったことを、相手の性格や立場を考えずに、ただ自分の思ったように言うのが「自己主張」。自分というものをまず自分自身しっかり理解し、相手に対して伝わりやすいような工夫をするのが「自己表現」。同じように見えても、何をどう伝えるかという部分で大きな違いがあります。自分の考えを正しく伝えるには「自己表現」が大切です。


(MIKI)