ビジネスには、必ず客寄せ商品と受皿商品が必要だ。
そんなに利益が出ずとも非日常的で広告効果が高い客寄せ商品で顧客を呼び込み、普通だが日常性が高く利益性も高い受皿商品につなげて行く。
利益を上げ続けている企業は、この相乗効果が高いと言える。
かつて企業は物が足りない時代において、自然とその相乗効果が生まれてきたがモノ溢れの時代になり状況は一変した。
客寄せ商品だったものは、競合が増えるにつけ受皿となる。だからまた客寄せ的な商品が必要になる。
もう少し厳密に言うとかつては客寄せ商品が、即受皿商品ともなっていたのだ。
受皿商品しか無くなってしまった企業はかつての利益性が頭から離れずに受皿商品となってしまった商品に営業費や広告費をかけ続け、結果が出ず終いで頭をかかえている。
モノ溢れになった時代の開発は、この客寄せ商品と受皿商品を切り離して考えて行く必要がある。
客寄せ商品とは、ほとんど広告費をかけずに宣伝できて営業がワクワクして提案できる。だから商品だからという考えを捨てて一つの新しい宣伝広告なのだと考えるとアイデアの出し方が変わってくる。
受皿商品は整っている企業が増える中、企業成長においてこの客寄せ商品開発が人材の育成にも大きく関わってくることを経営者には認識していただきたい。
メーカーにとっては、知ってもらい、気づいてもらい、買ってもらい、買い続けてもらい、選び続けてもらうという戦略の礎になるものとして。
ショップビジネスにとっては、新規来店客、新規購入客、再来店客、固定客、スペシャル顧客につなげる礎になるものとして。
情報の共有化
革新をしなければビジネスは自然と衰退して行く。
革新のやり方がうまく行かないと大きな打撃を受ける。
経営とは難しいものだ。
以前、こんなことを言った人がいる。
「とらやがゴルフボール最中を出したらしいけど、そりゃ老舗だからできるんだよな!」と。
それは違うと思う。どの時代においてもそういう新しいことにチャレンジしてきたからこそ老舗になれるのだ。
新しいことを進めるうえにおいて、プロジェクト化が必要だが、製品レベルだとか技術とか、販促や営業手法に目が行きがちだが、もっとも重要なのは情報共有と考える。
常日頃、一緒に事業に携わっていることから情報共有されている、と勘違いしている事業者が多いことに驚かされる。
年齢も違うし、育ちも違ったりする。男性、女性が参加する場合は価値観が大きく変わったりする。
部署の違う人が参加する場合は、同じ企業内でも事の捉え方がまったく違っていたりする。
特に年齢を重ねたり、成功体験を持っている年長者に限っては決めつけが最も強い。最近では、若い人にも決めつけが強い人が増えてもいる。女性は感性が豊だけに、決めつけが強かったりする。
その決めつけを緩めるために情報の共有化することがプロジェクトの成功を大きく左右する。
まずは、社会環境から。それはどの分野かではなく、どんな風に変化してきてどんな風に変化して行くかだ。
どんな知識人であろうと世の中の全情報量に比べたらたいした知識は持っていない。
まず、自分を疑うことから情報共有をすべきでありイノベーションに立ち向かうべきと言える。
伝統と革新、不変と変化
伝統とは革新の連続で創られる、と言われているがそれを実感している人はどれ程いるのだろうか?
何十年、何百年の老舗は同じことだけを続けてきたのではなく、常にその時代の新しい事を取り入れてきている。
正確に言うと、変化すべき所と不変である所を明確にしているのだが、一切変えない、もしくは変えてばかりいるみたいな偏った会社の方が圧倒的に多く見受けられるのは筆者の偏見か?
スタート時点では、とにかく新しい事をしないと受け入れてもらえないので自然と革新的になっているのだが、一度安定するとそこからもっともらしい理由付けをして安定と言う不安定に落ち着いてしまう。
流行を追うのと変化に対応するのとはまるっきり違う。
流行を追うのは人様のまねであり、変化に対応すると言うのは新サービスの提案だ。流行のように表に出てきたものを追うのは、はっきり言ってその時点で時代遅れと言える。
流行とは時代の変化を捉えた改革者や先駆者が創り上げた結果。その対応力を参考にさせてもらい自分ならではの革新が本当の伝統を創り上げて行く。
明日のことは誰にも分からない。しかし分かることも沢山ある。
10年たったら必ず10歳年をとる。そんなあたり前のことを大切に、分かることと分からないことのバランスを取ることが伝統と革新のバランスを築き上げて行く。
筆者なりの答えがある。
変化を楽しむ!そして積み上げる!